選挙に行かない



選挙、行きました? 僕は行きませんでした。

20歳になって参政権を得てから1回しか投票所に足を運んだ事がないんですけど、これからも自分の中で何か変化がない限り行こうとは思わないでしょう。偉そうに言い訳を言うようですが、その理由をつらつら挙げていきます。



1番の理由として、「自分の一票で何も変わらないだろう」と思っているからです。本当に月並みな理由で申し訳ないのです。実際変わるのだとしてもそう思うでしょう。「自分一人じゃ何も変わらないだろう」っていうのは普段の生活から強く感じていて、例えばアイドルのライブとか、アーティストのライブとか「自分一人手を上げてても上げてなくても変わらないだろう」って手を上げなかったり座ったりしてるんですよね。それで「演者側から見た時、一人でも盛り上がっていない人が見えると寂しく感じるからちゃんと(手を)上げよう」みたいな無言の圧力を感じてしまって、そこにいるのが嫌になってしまうという事が多々あります。

そういう空気感を選挙の中にも感じ取ってしまって、別に政治的な事を話すのは嫌いではないのですが、選挙に行くのにアレルギー反応を起こしてしまっている、という感じです。でも「そういう空気感」と言われてもピンと来ませんよね。ううんと、「お前が選挙に行かないから俺達若者は不利益を被ってるんだ、投票に行かないなんて日本国民じゃない、お前の学が足りないからお前は選挙に行かないんだ、俺が啓蒙してやる」という態度です。そういう空気をネットの書き込みや、記事から読みとってしまって、これから離れざるを得なくなった、という形です。


第2に、自分のメンタルの不調が原因だと思っています。ネットの記事からそこまで被害妄想を抱くなんて、とてもとても健康的ではないですよね。

少し違う話にはなりますが、仮に「税金が〇〇円過度に請求されていますので、何日までに役場に来てください、払い戻しを致します。」というお手紙が役場から来たとて行くか行かないかは半々くらいだと思っています。そもそも休み、日中に外に出れない。そういう人達、自分以外にかなりの人数いるはずなんですよね。自分みたいに普段日中に行動し慣れてない、というのはマイノリティだとは思うのですが、日々の仕事で疲れてしまって、自分のしなきゃいけない、例えば公共料金の振り込みとか、家賃の支払いとか、スマホの画面が割れているから交換の申請をしに携帯ショップに行かなきゃいけないとか、そういうのが後回しになっている人間って多々いるはずなんですよね。そういう人を指して、「選挙に行かない奴は政治に口出す資格がない」と吐き捨ててしまうのは少し乱暴なのではないかな、と思ってしまいます。(実際にそうだとしても、です)


そもそも日本の若者全体が政治的な話題に関してに軽いノイローゼになってしまっているのでは?と思った事もあったんですが(これは自分の事ですが)、一方で政治の事なんて何も知らないし、知るつもりもない、という層もあると知って、世代間の断絶だけではなく、同世代間の断絶も同じように感じてしまいます。やはり現実世界はともかくとして、ネットでどのコミュニティに属しているかによって、伝わりやすい情報、そうでない情報があって、現代はそれを取捨選択が可能であり、伝わらない人には全く伝わらないし、逆に伝わる人には過剰に伝わってしまうという部分があるのではないかと考えています。



「どうして若者は選挙に行かないのか?」という問題に対して、様々な議論がされていますが、20代にこの質問をして返ってきた答えを額面通りに受け取るのは少し違うような感じがしています。自分は、

・20代の人間がおおよそ個人主義のコミュニティで生きているため(地域のコミュニティの弱体化)、政治的な関心を自分で持たない限り投票に行く所まで辿りつかない ・政治的な闘争の山だった世代を見てきて冷笑的になっている世代が今の親世代、比例して子供世代にも政治に興味が失われている ・(これは自己投影かもしれませんが)若者全体の自己肯定感の減少、未来に対するイメージが持ちづらくなっているため、自分の将来と結びつく選挙を忌避してしまう

…みたいな予想を立てました。多分、現在生活しているコミュニティで、「みんな行ったよ(あなたは行かないの?)」って言える事が出来るようになったらみんな行くんじゃないかなあと思います。ただ、現在身を置くコミュニティが複数存在している事がほとんどで、ローカルなコミュニティの効力があまり無くなってきていて、そこの説得力があまりないですね。


自分がアレルギーになってしまった、「選挙へ行かない事へのネガキャン→選挙に行こうと煽る」やり方で行く人は行くんだろうけど、進行形で投票率が下がっているのを見ると、あんまり意味が無いんだろうなと思います。みんなネットの啓蒙だけじゃ意味が無いって、いつ気付くんでしょうね。

ネットで投票できるようになったら投票するのに、という意見もよく目にしますが、東京オリンピックのサイトもかなりガバガバかつ、大部分を民間企業に委託している状況の中、現政党下で電子投票を導入するのはあまりに危険すぎるので、今の所論外だと思います。

もう大部分の若者が思っている事とは思いますが、自分は現政党には期待していないし、じゃあ野党に入れるかといったら他の政党も信頼できないという感じです。(もう選挙が終わっているので言っていいとは思いますが)その中で枝野さんが言っている事はまだマシだとは思いますし、彼が立ち上げた立憲民主党マニフェストにはある程度賛同できるのですが、その党の中にいる人間が信頼できるかと言われればそうではないし、本当に納得した結果でないならどうしても役場まで行く気にはなれません。

「完全に納得しないと1mmも動けない」というのは、自分の性質の話ですし、政治の話でなくとも他人にとやかく言われる謂れはないです。「なぜ投票に行かないのか」と嘆息されるだけで行く気がとんと失せてしまいます。今つらつら言ってきた事、「そんなの言い訳に過ぎないじゃん」と言われ、「じゃああなたの意見を聞かせて」と言われても何も言う事はないです。そんなのお前の中の妄想だけの話だよ、と言われればそうなのですが、黙っているだけでもいくらでも意見が稚拙であるという自責が刺さるし、あえて火中の栗を拾うような真似はしたくない、という感じです。


尊敬する細美武士YouTubeで選挙の話をしていたので、そこに対してのモヤっとした感情を書き起こした次第でした。「今お前ができる事をどうしてやらないんだ?」と思っている人には1mmも分からないと思います。「てめえには分からないよ」と言う事がどれだけダサいのか知っているつもりです。本当にそうですよね。選挙には行った方がいいです。私達の未来が懸かっていますから。

Instagram post by wac • Jul 23, 2019 at 7:01pm UTC